2〜3年前、降雪期の医王山国見非難小屋で感動的な日の出シーンに遭遇した。初め富山福光方向の紺碧の空が徐々に明るくなり、やがて深い藍色が赤系のグランデーションになりながら、シルエットになった北アルプス剣岳の右方向から太陽が昇る。再びあの感動的なショーを見たくて機会を窺っていた。216日(金)天気予報が急遽変わり、本日の午後から17日(土)の午前に掛けて晴れ予報。よし!明日決行だ!























 午前430分予定していた時間より30分遅れてスタート。幸い医王の里まで車が上れたので、予定どうり6時には白兀山山頂に着くのでは?昨晩は山行の準備を終え、ゆっくりと湯船に浸かりながら「独りで暗い山道を長く歩くのは億劫だな」とか「何か見えてはいけないものが見えたりして…」とか「キゴ山辺りでお茶を濁そうか」などとモチベーションが上がらない。でも当日現場に着いて一歩踏み出すと結構ヤル気が出るものだ。これは独りで渓流に向かう時と同じ感覚だろうか。「竿を出すとヤル気満々!」
 今日は月が無い暗闇。ヘッドランプで足元を照らしながら少し早足で進む。時折顔を上げ空を見上げると降るような星がそこにあった。ちょうど夏の星座さそり座が昇り始めていた。































 「しらがくび」からは山道に入り、おそらく昨日のものだろう先人の足跡を正確になぞる。林道より山道の方が不気味な感じはするが、先人の足跡で少し心を和ませる。雪は放射冷却の影響か硬くしまり歩きやすい。もうそろそろ頂上だろうと思う地点で、先人の足跡が少し迷走し始め藪に入ったり出たり。「ひょっとして頂上をかすめ夕霧峠に向かっているのでは」と不安が頭を過ぎる。何となく空が明るくなってきて、尚一層不安になる。そこでヤフオフで入手したポケナビであらかじめ入力していた白兀山をナビする。残り距離60m。近い!先人の進む方向をなぞりポケナビを確認。残り40m!「頂上の見晴台が見えた!」

























 急いで見晴らし台に登り、三脚にカメラをセットした時には6時を少し回っていた。空は既に明るさがあり北アルプスの剣岳のシルエットが確認できた。反対方向の金沢市内の夜景は空の状況から撮影が難しいと判断し、日の出方向に専念する。早速2〜3枚シャッターを切ったところで、身体が冷え切らないうちにダウンジャケットを着込む。ここから先は夜明けの風景を楽しみながらゆっくりとシャッターを切る。時間が経過するに従い風景も少しずつ趣を変える。
 いつの間にかシャッターを切っていた指が寒さで感覚が無くなって一息入れる。家から持ってきた水筒で温かなコーヒーを飲みながら「感動と充実」に浸る。
 充分満足しデジカメのメモリーも満杯になったところで、白兀山山頂を後にした。


































 

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