台風の日に岩魚釣り

 自然現象が釣果に影響を及ぼす事は、釣り人であれば誰でも経験しているだろう。潮の干満、潮の流れ、水温・気温の高い低い、天気の良し悪し、釣りの時間帯。またこれは自然現象とは違うが、能登でクロダイ釣りをしていた人から聞いた話し。ある日クロダイの夜釣りをしていたところ、近くで花火大会が始まったそうで、「これじゃ釣りにならないな」と諦め半分で続けていたところ、信じられない事が起こった。
大きな花火が上がり、地響きがするような「ド〜ン」と音がするたび、クロダイが釣れたそうだ。始めは偶然と思ったが3度・4度と続くと「これは偶然ではない」と確信したそうだ。
 私はへぼなつり師なので、その自然現象を上手く読んで釣果に結びつけることは出来ないが、5月にやって来る非常に珍しい台風に、「ひょっとして岩魚を多釣り出来るのでは」と自分勝手な理論で、
釣りに出掛ける事にした。さて「吉」とでるのか「凶」とでるか?
 5月31日午前2時半手取川水系のS川に向かった。途中同行者のK氏を拾い、4時ごろ現場に到着。K氏とは昨年9月その年最後の岩魚釣行を共にし、結構良い思いをした。しかも同じ沢に入る。これは大変縁起が良く、当然多釣りを期待してしまう。ようやく明るくなってきた4時半に車を離れ、山を少し登り5時に竿を出した。
  
 台風の影響で雨脚が強く、「雨が降り水が少し濁った状態がベスト」と言う自然現象と釣果の関係は、へぼなつり師でも知っている事実で、自ずと期待が膨らむ。でもなんだか水量が少ないような気がする。K氏も同じ意見だった。そう云えば5月入って殆ど雨が降っていない。この雨は夕べから降っているが、それだけじゃ水量が増えないのか?餌のミミズを流すがアタリが無い。
 この沢は私の岩魚釣りの師匠に教えてもらった藪沢で、川にたどり着くまで道らしい道が無いので比較的釣り人が少なく30匹ぐらいは楽に釣れる沢である。でもかつて一度だけ師匠とこの沢に釣りに来て、どうゆう訳か2人で4匹と云う事があった。その記録を更新しそうな感じで、2人とも釣れない。岩魚が居ない訳では無い様で、たまにアタリがあるが直ぐに餌を離し、二度と餌を追うことは無いという状況。
 師匠に教えてもらった地点「大抵の釣り人はここで引き返す。ここから先は水量も少なく、とても岩魚が住めないように見えるが丁寧に釣る事」に着いた。師匠の言葉を思い出し慎重に釣り上がる。確かに岩魚が居る。水量が少ないので岩魚が見えるのだ。私は岩魚を見ながら2匹バラシ、2匹釣り上げた。小さい岩魚を4匹リリースしたので、本日の釣果は6匹。K氏も同じようなものだった。
釣果は少なかったが、最後に岩魚を見ながら釣る事ができ、思い出に残る釣りが出来た。
 結果「台風の日は駄目」かな?