トホホな事件

 金沢は今日、百万石祭のメインイベント百万石パレードが行われている。盛り上がっているかどうかは分からないが、私は現在岩魚釣り謹慎の身。この忌まわしい事件を自分の恥として、一生沈黙を守ろうと思っていたが、沈黙は大変苦しい。「書いて少しは楽になろう!」と考えた。
 それは一週間前6月7日(土)の出来事であった。午前4時半、久し振りのフライフィシングを楽しむため
白山公園線の横を流れる手取川本流を目指した。1時間後現場に着いたが、もう既に何台かの釣り人の車を見掛ける。「今日はたとえ1時間でも、たとえ1匹でも楽しめれば良い」と覚悟してして来たので、先行者が居てもさほど気にならない。
     
 先行者の車から1km程上流で川に入る。先週岩魚釣りをしていて水が少ないと感じたが、今日も水流が少なかった。「これじゃあ今日も岩魚が餌を活発に追うことは無いかもしれない」と思った。案の定フライに反応しない。「ひょっとして自分が巻いた毛鉤が悪いのか?」「毛鉤が合っていないのか?」などなど釣れない理由を考え、でも自分の腕の未熟さは棚に上げ、上流に釣り上がっていった。やがて最初の岩魚を手にした。じっくり画像を撮るつもりが直ぐに岩魚自身がリリース!(逃げられた)2匹目は今年初の山女だった。相変わらず毛鉤を見に来るだけの野次馬的岩魚が多かった。最後にライズを見掛け、そこに毛鉤を優しく流すとイメージ通りに岩魚が釣れた。これは嬉しかった。これこそ思い出に残る一匹!「さあこれで川から上がろう」
   
 トホホな事件(情けない事件)はこの後に起こった。川から上がって車まで戻り、ドアを開け助手席にあったタオルを取り後ろのハッチバックを開け着替えようと後ろに回った。がしかしハッチバックが開かない。「おかしいな」と思いながら運転席のドアを開けようとしたが開かない。暫くは状況が掴めなかった。するとキーレスエントリーが誤作動を起こし、全てのドアがロックしたのだ。信じられない!キーは運転席のシートの上。「どうしたら良いのだ」目の前が真っ暗になる。白峰村の公共の施設が3kmほど下流に。「まあそこまで歩こうか」回りの景色を楽しむ余裕なく3km歩き、公共の施設に着いた。施設の人に事情を説明したが白峰村には車のキーを開ける業者が無いとのこと。しかたなく電話を借り金沢の仕事中の妻に連絡を取った。1時間後スペアキーを持って妻がやって来た。呆れ顔で「暫くは岩魚釣り謹慎やね」と言われた。返す言葉が無い。情けない。「でももっと深い山の中でこんな事件が起こっていたなら」と考えるとぞっとする。
 「7月5〜6日会社の仲間で、岩魚の桃源郷に釣りに行く計画がある」と今は妻に言えない。とても言えない。(トホホ)