渓に行かない日々


 用事が有ったり、あれやこれやで釣行回数も少ないまま、2003年も早やオロロのシーズンがやって来た。オロロとは吸血アブのことで学名はイヨシロオビアブと言うそうだ。場所によりこのアブが居る居ないが有ると思うが、私が通う渓流ではかなり多いと思う。すごい時は一度人に群がり始めると、その数は十や二十では効かない。もっともっとすごい数が人を襲いにやって来る。このオロロに刺されると、痒み止めの薬を塗っても痛いわ痒いわ、痒さは1週間以上続くし、顔面特に目の近くを刺されると「お岩さん」状態になるらしい。聞くところによると、このオロロに対し免疫を持っている方がおられるそうで、でも免疫ができるまで刺されたくは無い。
 
 以前フライフィッシングにはまっていた頃、覚悟を決めオロロの群れの中に身を投じていた。対策としては虫除けスプレーを厚く塗る。自分の身体だけではなく、服も帽子もウェーダーも全て塗りまくる。そして手は川の流れに付けない。水に付けるとその部分の虫除けスプレーの成分が取れて、そこをオロロが狙ってくる。
 夕まずめを狙い車を止め釣り支度をしていると、もう何匹か寄ってくる。慌ててスプレーし、川に入った途端凄い数のオロロが私を取り囲む。でも虫除けスプレーの効果で私から30cm位のところをホバリングしている。気持ち悪いと言うより、ホラー映画を見ているような恐怖を感じる。
  
渓流釣りに関する本を読んでいた時、東北方面での昔話で山伏がこのオロロの大群に襲われ命を落としたと書いてあった。一度に何百匹ものオロロに刺されたならば、命を落とすのは分かるような気がする。夕まずめも終わり、あたりはもう暗くなっているがまだオロロは居る。暗くなっているので何匹いるかは分からないが数は大分少なくなって来ている。慌てて車に乗り込み取り合えずその場を立ち去るが、必ず1〜2匹車の中に入っている。クーラーをがんがんに効かせると動きが鈍くなり外に逃がす。
 釣り欲がオロロに対する恐怖心より上回っている間は良いが、一旦冷静になってしまうと、とてもオロロの時期は渓には行けない。冷静になると言うより歳をとったのかも知れない。(今年フライに糸を通せなくなった)だから8月いっぱいは岩魚釣りお休み。
 少し寂しいが今度は登山があるさ!