昔は「源流」なんて最低でも山の中で一泊しなければ辿り着けない「神の領域」だと思っていた。ところが最近の林道工事で、色んな神の領域に日帰りで行ってこれるようになった。まったく便利な世の中になったものだ。しかしその便利さと引き換えに、工事のときのや植林のときに出た土砂などが渓を埋め、岩魚が棲みにくい環境となった。また多くの人が源流釣りを楽しみに渓へ押しかけ(そういう私もその一人ですが)少なった初心な源流岩魚を次々に釣り上げた。もうこの世には「神の領域」「桃源郷」は存在しないのか。
 6月11日午前3時に道の駅で待ち合わせ。少し遅れてかつさんが到着し、また少し遅れて舞茸さんが登場した。メンバーが揃ったところで私の愛車に乗り換え、舞茸さんの案内で一路源流へ。目的地に近づくにつれ林道の状態が悪くなってくる。これは林道上を雨が川のように流れ土を削り、大きな溝となったに違いない。2週間前に手に入れた中古のパジェロミニ、このとき初めて4WDで走り威力を発揮した。



源流を進むへぼつり師(画像提供舞茸岩魚さん)




一日中シトシト降りでした(画像提供舞茸岩魚さん)




本流で直ぐに釣り上げた岩魚


源流岩魚は初心と思ったが、その後…
 午前5時ごろ車を止め釣り支度を始めるが、ポツポツと雨が降ってきた。初めからレインウエアを着ての行動を余儀なくされた。今日は藪漕ぎ、急な斜面の降下、滝の高巻きが予想されるので、ウェーダーは履かず、身軽に行動できるようジャージにレインウエアの下とスパイクシューズにスパッツというスタイル。動き辛くなるレインウエアの上着を初めから着たくなかったのだが…
 林道を歩きながら降下ポイントを探す。どの場所もかなりの傾斜だが幾分ゆるくなっているポイントを選び、藪をかき分けかき分け本流手前の支流に無事降下。帰りにこの支流を釣り上がりながら車の止めてある所に戻る作戦だそうだ。


白い花が沢山川に流れてました



滝を巻いたところ。怖くて真下を撮影できなかった


薄暗い渓を進むへぼつり師と舞茸さん(画像提供かつさん)

 支流をそ〜っと下ると程なく本流に出た。相変わらずの雨。最近釣り人が通った形跡を確認しながら私はテンカラの用意をし、FFの名士かつさんはもちろんFFの準備で、舞茸さんは案内役に徹した。10mも進まないうちに私がテンカラで20cmほどの岩魚を釣り上げた。これから先「爆釣になるのでは」と弾む心を抑えつつ上流に進んだが、私もかつさんもさっぱり。毛鉤を追う反応すら確認できない。いい加減釣れない釣りに飽き飽きした頃、支流を釣る事にしたが、いきなりの滝の高巻き!「滝の上は天国」と呟きながら、かなりの傾斜を木につかまりながら上へ上へ!掴んだ木が折れたり抜けたりしたら…。やっとの思いで滝上に到着。「これから先はどんなに小さなポイントも注意して」と舞茸さんから指示を聞いて、直ぐ目の前の小さな落ち込みに竿を出す。すると何の釣りの技術無しで、黒っぽく良い形の源流岩魚を手にした。かつさんもFFのチョウチン釣り(ラインを出さずティペットだけ)で次々釣り上げた。さすがFFの名士、藪沢の藪に毛鉤を引っ掛ける事無しで上手くポイントに毛鉤を投入している。私には到底マネが出来ない。



本流から枝沢へ。初心な源流岩魚



山で定番の山アジサイ




右が舞茸さんで、左がかつさん




源流岩魚は口が大きく黒っぽかった!
 私も負けずに釣り上げる。舞茸さんが言うようにどんなに小さなポイントでもアタリがあるし、餌にくる瞬間を目で確認できる。「岩魚が小さい」と確認出来れば無理に釣らない。こんな10年前の釣りのような極楽体験も水量が少なくなりアタリが遠のいた頃納竿。必死に登った急斜面を今度は慎重に下り本流に出て最初に降下した支流を目指した。
 期待した支流は予想に反し全然釣れず、アタリすらほとんど無かった。滝を一つ越え「今度こそ」と頑張ったがそれでも駄目。たまに岩魚を目視できたが…。それほど釣り人が入っているのか、林道工事の影響か?
 午後3時に本日の納竿。最後に尾根に出るまで、藪漕ぎ最後の試練。やっとの思いで車の所に辿り着き暫くは放心状態。10年前の釣りが出来たあの支流の事がまるで幻だったような気さえする今日の釣行だった。
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薄暗い渓の中に咲いていたシライトソウ


本流は渓深いって感じでした(画像提供かつさん)


今日は雨でまともに撮影できませんでした。その中で唯一まともなタニウツギ